プライベートウォールのホールド配置例





クライミングの魅力にハマった人は
毎日のように登りたい、ホールドに触れていたいと思うものです。
しかし、毎日通うのは、時間的に、距離的に、金銭面的にと、それぞれ障害は異なれど
難しいものです。そうなると、やはり自宅にホールドのついている壁があれば…となります


ただ、自宅でクライミングジムのような人工壁を作成するのは、不可能ではないにしても難しいでしょう。
まず、第一に面積の問題です。高さも横も自宅の壁では限りがあるでしょう。
面積に限りのある壁で、派手なムーブは難しく、上に登る行為すらできない場合も少なくありません。


では、自宅人工壁の存在意義とは?
ずばり、腕と指の鍛錬!あたり前だと思うかもしれませんが
実際、人工壁を作ると、つい、いいルートを作ってしまいます。
いいルートとは、ちゃんと次のホールドをつかめたり、体がちゃんと安定するようにフットホールドをつけたりです。
こうしてしまうと、鍛錬にはなりません。腕も指もすぐ慣れてしまい、そして飽きて使用しなくなります。


腕と指を鍛錬できる壁を作るには、ちょっとしたコツがあり、下記に例を出しています。
自宅の限りある面積を有意義にするため参考にしてください。


クライミングホールドの配置、および体重移動の仕方 アンバランスな体勢を作るホールドの配置

「Aホールド」が手のスタートで、足のスタートが「Bホールド」。
これでずいぶん体は、右下に流れますので、指と腕に負荷がかかります。
体が右に倒れてしまうのをふせぐために、つま先で「Cホールド」にひっかけます。
左手で「Dホールド」を取り、さらに少し上の「Eホールド」を右手で取る。
「A、D、Eホールド」が指先だけしかかけることができないようなものを
配置すれば、なかなかの指と腕のトレーニングになります。








ボルダリング、クライミングホールドの配置、および体重移動の仕方 直登スタイルの配置

「Aホールド」が手のスタート、足のスタートが「Bホールド」。
右手でC,左手でD、ラスト右手でE。とにかくシンプルだが、まったくもって
あなどれないコース。もちろん足場として使えるホールドも、この5つ限定。
右手で取るCが、微妙に左寄りで、左手で取るDが右寄りなのがポイント。
慣れてくるとCをもっと左に、Dをもっと右にしましょう。
これを逆の手で取ってしまうと、難易度がグッと下がるので注意。









横長の壁をカニ歩きで、耐久ルートにする配置

クライミングホールドの配置、および体重移動の仕方、ボルダリングのチョーク

画像はクリックすると大きく表示されます。

横長の壁で、上に登るムーブが難しい場合、トレーニングとして効果的な壁を作るなら 持ちにくいクリンプ系、スローパー系のホールドを多く含むカニ歩きルートがオススメ。 これを行ったり来たりして、とにかく長い時間壁に張り付いて、腕の持久力アップを目指しましょう。 「Cホールド」から「Dホールド」、「Fホールド」から「Gホールド」を取るのに下がらなくてはいけないのがポイント 登るよりも下がる方がキツい場合は多々あり、往復していると、そのポイントで腕がプルプルしてきます。 「Bホールド」と「Cホールド」、「Dホールド」と「Eホールド」では、腕のクロスが必要になるため 体重バランスの練習にもなります。「Fホールド(スローパー)」から「Gホールド」に関しては 結構厳しい戦いになるかと思います。がんばって攻略してください。






ここで取り上げたホールドの配置は、もちろんほんの一部にすぎません。
自宅での人工壁を作成後、飽きてしまうという声を聞くことがありますが
同じルート、同じホールドなら飽きて当たり前です。 せめてホールドを変えてあげれば、壁は、また違う一面を見せてくれます。
ホールド屋では、そういう人のためにホールドを、ひとつからでも購入できるように販売しています。 慣れたり、飽きたら違うホールドに変える。また違う負荷を楽しむ。
そしてクライミングジムや、岩場で本番のクライミングに自宅トレーニングの成果を吐き出す。 自宅トレーニングで腕の耐久力を上げれば、本番のクライミングをより長い時間楽しむことができます。
自宅の人工壁は、あくまで本番のクライミングを楽しむための、トレーニングなのです!